成年後見関係判例(平成25年)②

あけましておめでとうございます。

 

新年ですが、前回に引き続き、平成25年の成年後見関係判例を振り返ってみましょう。

 

※大阪地方裁判所堺支部損害賠償請求事件(2795号)、保険金請求事件(1836号)

平成25年3月14日判決

 

この事件は、後見人が本人の財産を横領(約7500万円)したのに対して

後見監督人と国が損害賠償責任を問われた事件です。

 

ポイントは、「監督責任を果たしていたか」という点です。

 

結論として、監督人には責任を認め、国には認めませんでした。

 

監督人が責任を認められた理由は

「後見監督人に選任されてから3年5か月弱の間、一切の調査をすることがなかったのである」

これは、たしかに監督責任を果たしていたとは言えないですよね…。

 

そして、国(裁判所)には責任を認めなかった理由は

「あえて専門職の後見監督人を選任した事案に関しては、(中略)後見監督人から、必要に応じた後見事務の報告等されることが期待でき、後見監督人の報告等により不正行為等が疑われるような情報に接したときに、必要に応じて、前記監督権限を行使するものとしたとしても、それ自体は不合理とはいえない」

 

裁判所も監督人と同様、一切の調査をしていなかったのに、これはちょっと苦しいですよね…。

もしこの事件で監督人がいなければ、裁判所の責任は認められていた可能性はあります。

実際に、横領事件で国が訴えられ、国の責任が認められている事件もあります(広島高等裁判所平成22年(ネ)450号平成24年2月20日判決)。

 

平成25年に監督人推薦依頼や信託後見事件が増えたのも、こういった裁判の影響があるのではないでしょうか。

 

(東京ジェイ法律事務所 司法書士 野村真美)

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