成年後見、横領、投機・投資①

 

養子が成年後見をしていた養親の預金から約3300万円を引き出し、横領したという事件がありました。

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20130108-OYT1T00603.htm

 

「先物取引でもうけようと思い、使った」というのが理由です。

 

 

養子が自分がもうけるために自分の名義で先物取引を行った場合、これは明らかに横領です。おそらく本事件はこのケースだったのではないかと思います。

 

では、もし養子が養親の名義で先物取引を行い、しかもそれが養親の財産を増やしてあげよう、という養子の善意によるものだったらどうでしょうか?

 

この場合、たとえ横領罪は成立しなくとも、後見人としての職責には背いていることになります。

 

「後見人は被後見人の資産を増やす義務はないので、投資・投機をする必要はない。…隠れて証券・商品取引等を行ってたまたま利益を挙げた場合には注意のみで終わるかもしれないが、損をすれば、そのような取引をして被後見人に損害を与えたこと自体で責任を問われよう。」

(東京家裁後見問題研究会「東京家裁後見センターにおける成年後見制度運用の状況と課題)

 

「たまたま利益を挙げた場合には注意のみで終わるかもしれない」という記述がありますが、、司法書士等の専門家がそんなことをすれば、裁判所も激怒、所属団体も激怒することはまちがいありません。

 

また、東京家庭裁判所の「成年後見申立の手引き」には次のような記載があります。

「本人の財産管理は、本人の利益を損なわないよう、元本が保証されたものなど安全確実な方法で行うことを基本とし、投機的な運用はしないでください

 

後見人の財産管理の基本としては、「静的管理」が大原則です。

つまり、被後見人ご本人が有していた財産をそのままの状態で管理し続けるのが原則です。

あらたな「投資・投機」はご法度です。

 

では、従来から被後見人が持っていた投資信託が元本割れを起こしてどんどん価値が下がっている場合、株価がどんどん下落している場合はどうでしょう?

「静的管理」が原則だからといって、後見人がそのまま放置しててもいいのでしょうか?

「投機・投資②」でこのテーマについて書きたいと思います。

 

(東京ジェイ法律事務所 司法書士 野村真美)

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コメント: 1
  • #1

    Devorah Oates (木曜日, 02 2月 2017 16:27)


    Great article. I'm dealing with many of these issues as well..

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